2016.3.17
蔵見学を終えた後は、お楽しみの試飲タイム。
蔵訪問の何が楽しいって。
お酒の造られる現場を見て、どんな材料を使いどれだけ丁寧に作られているのかを知った上で、造り手さんのお話を伺いながら景色と共に頂くお酒以上に美味しいものは有りません。

ずらーっと10種以上。
ファン(私)垂涎の光景です。
しかし、だからと言ってガツガツ飲むことなかれ。
1種30ml程度からの利き酒を進める山本先生。
お酒は程々に、楽しく、お水を飲みながら。これかなり重要です。
ということで、まずは生酒タイプの「隆」から。

新潟県産五百万石50%の赤紫隆。
ワイングラスで頂くと、香りがよく分かります。ミントのような爽やかな芳香とゆるやかな苦味があり、冷〜常温で美味しく飲める塩梅です。
続いて、雄町の60%。

他のお酒でも感じるように、雄町には甘みを感じます。
そして、今風のギンとした風味、複雑味、そして心地よい酸味。
オマチストの方がトリコになるのが良く分かる気がしました。米違いで飲み比べ、これが雄町かーと再発見!!
ではでは、山田錦、雄町と並んでメジャーな酒造好適米である美山錦をいってみます。

美山錦はバランスが良いです。キュンとした柑橘やベリー系のような甘酸っぱい香りに、後味はほろ苦味。
うんうん、好きですねー。
カクテル好きな女子なんかに飲ませたいです!!
一方、例の若水はというと…

あー、やっぱり私はこれが一番好きです!!
柔らかく、上品で、とにかく優しい。「絹のように柔らかいお米」ということに、飲んで納得。
お出汁のきいた薄味のお料理が合いそうだなと思いました。
…と、一通り隆を飲み比べましたが、お次はいよいよ丹沢山。
ここからは全てど燗酒でいきます。
(川西屋さんのお酒は半端に上げちゃいけません。しっかり温めてこそ、味わいが膨らむのです。)
まずは秀峰の70度から。
わー、今まで蔵イチオシの麗峰ばかり飲んでいましたが、秀峰も全然美味しいじゃないですか…!!
炊きたてのご飯を頬張るような、ホクホクとした幸福感。40度に燗冷ましすると、まるで温泉につかるような気分に。
ああ美味しい美味しいと悦に入ってしまいましたが、こんなのはまだ序の口です。
米山工場長の超絶パフォーマンスがスタート!!

チロリと徳利で何度もデカンタージュ(お燗タージュ)します。
「スフレみたいだぜ」と工場長。
ス、スフレ燗!?
と思いながらそっと平杯に口を当てると…、本当だ、スフレだ!!
空気をたっぷり含むことで口当たりがとても滑らかになり、スフレという命名にガッテン!!
アルコールも少し飛ぶため大変飲みやすくなり、女性的で優しいお酒に変化しました。
いやー、面白い!!
ちなみに3種の杯をご用意頂いたのですが、杯の形によって味わいも全く変わってくるのですよね。

やはり、燗酒の味がよく感じられるのは平杯です。口が広がっているため、お酒が舌全体に広がり甘みや酸味、苦味など全ての要素を感じやすくなります。
また、空気に触れる面が多いため、燗冷ましで飲みたいお酒が空気に触れながら割とすぐに冷めるのも良いですね。
うーん、燗酒の世界は奥が深い…。
後編で完結させるつもりでしたが、とても書ききれなそうなので、今回を中編として、3章完結にすることに決定!!
後半へ続きます…。